tome VIII - 合宿報告2



北海道十勝岳から大雪山

昭和62年度夏季合宿
南谷達郎


page 1/3 [合宿概要]page 2/3 [行動記録1]・page 3/3 [行動記録2・反省]

行動記録


7月25日(曇のち晴)
記録:
4:00起床 - 5:23体操 - 5:26出発 - 6:21一本 - 6:31出発 - 7:10トムラウシ岳小屋通過 - 7:38トムラウシ岳山頂一本 - 7:58出発 - 8:55ピーク一本 - 9:05出発 - 9:50一本(分岐) - 10:10出発 - 10:34化雲岳山頂一本 - 11:OO出発 - 11:57五色岳山頂一本 - 12:07出発 - 12:53忠別避難小屋到着
気象:
前線は停滞。なかなかの晴れ。

本日の反省:
朝おそかった
バッキングおくれた。山の山頂でみっともないことをしてしまった
記録もっときちんとやれ、不手際で休憩時間延した
歩く途中、リーダーはきちんとしろ
こんなもん、山頂から勝手に降りるな
概念図

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4時起床、5時30分出発。ガスがかかっているが妙に明るい。二つ沼から黄金ヶ原まで登ると、右手はカール、左手は一面のお花畑という素晴らしい景色。トムラウシ山への登りにさしかかるころ、晴れて太陽がさしはじめる。トムラウシから化雲岳までのその日のルートは、まさに絶品。地形はほとんど平坦で楽。いたるところに池塘と雪渓があり、展望も最高。岩の間から時々ナキウサギが顔をのぞかせる。この大雪山十勝岳山系で最もおすすめの場所である。1時、忠別岳避難小屋に到着。これでちょうど丸一日分予定を短縮してしまった。








7月26日(曇ときどき晴)
記録:
3:OO起床 - 4:18出発 - 5:21忠別山頂一本 - 5:31出発 - 6:32水場一本 - 6:42出発 - 7:10沼通過 - 7:36ピーク一本 - 7:46出発 - 8:33白雲岳小屋通過 - 9:00分岐一本 - 9:07アタック出発 - 9:26白雲岳山頂一本 - 9:45出発 - 10:03分岐にもどる - 10:13出発 - 10:53北海岳山頂通過 - 11:12中岳山頂通過 - 11:18一本 - 11:28出発 - 11:40間宮岳山頂通過 - 12:01旭岳キャンプ場到着 - 12:43アタック出発 - 1:05旭岳山頂一本 - 1:23出発 - 1:33旭岳キャンプ場戻る
気象:
ずっと曇。

本日の反省:
バッキング違れた、灯油が容しゃない
ペースが遅れた、飯がまずかった
テント四すみからはれ、トップは返事しろ、指示が不足していた
天幕教え足りなかった、みんな歩いた
懐電使え、1日10時間当然!
予定を短縮してしまい、しかもこの分だと、この先も短縮できそうであるため、どこに行くべきか迷う。結局下山ルートも大幅に変更することとし、この日は旭岳のふもとのキャンプ場へ行くこととする。コースタイムは約10時間の予定。3時起床、ガスと強風の中、4時20分出発。やがてガスは引き、5時20分忠別岳に着くころには晴れてきた。白雲岳のふもとまでは、平坦な草原地帯で、左前方に旭岳を見つつ、コマクサを踏まないように気をつけながら歩く。白雲岳への登りからは久しぶりにキツい。そしてこの辺りから大雪山山系に入り登山客も増えはじめる。大雪山は、これまでとはうって変わった険しい山並みである。黒岳、北鎮岳、間宮岳、北海岳は、ちょうど円環状に稜線が連なり、その中心のすり鉢状になったお鉢平からは有毒温泉がもくもくと煙をふき出している。北海岳、間宮岳を通過して旭岳キャンプ場に12時到着。設営後、旭岳アタック。この頃から再び曇りはじめる。旭岳の登りは、急坂の直登で、転べばそのまま転がり落ちそうな斜面であるが、小学生も列になって登っている。山頂は視界ゼロ。午前中は白雲岳から旭岳が美しく見えたのに残念である。





7月27日(曇のち晴)
記録:
3:30起床 - 5:05出発 - 5:28分岐通過 - 5:42分岐通過 - 6:06一本(分岐) - 6:14アタック出発 - 6:50黒岳小屋通過 - 7:04黒岳山頂につくや否やもどる - 7:16黒岳小屋一本 - 7:21出発 - 8:14分岐一本 - 8:22出発 - 8:36北鎮岳山頂通過 - 9:22比南岳山頂一本 - 9:37出発 - 10:03永山岳山頂一本 - 10:13出発 - 11:15沢にて一本 - 12:15出発 - 1:25愛山渓温泉到着 - 1:26整理体操 - 1:28解散
気象:
最終日はなかなかの晴天だった。
特に下界に降りた頃にはほとんど快晴。
この日は、北鎮岳の手前の分岐から黒岳ヘアタックし、そこから、北鎮岳、比布岳を経由して愛山深温泉へ下山するルートを取る。朝食の雑炊はなぜか灯油の味がして、ほとんど食べられなかった。天気は曇りで、昨日は丸ごと見えたお鉢平は全く見えない。黒岳へのアタックは、展望はなし、人は多く、得るものはなかった。比南岳方面へ向かうと、人も少なくなり、山もさらに険しくなる。比南岳から永山岳への尾根はかなり痩せており、もし展望がひらけ下の方が良く見えれば、かなりスリリングなルートであろう。永山岳から晴れて展望がひらける。左手下方に沼の平の数々の沼が美しい。しかし、登山道の方は急な下りでぬかるんでおり、極めて歩きにくい。一人あたり少なくとも3回は転倒し、ドロだらけになる。途中の沢で一時間ほどゆっくり休んだ後、1時30分愛山渓温泉に到着。解散となった。この日は全員温泉で一泊して疲れを癒してから帰京することとなった。








反省

北海道の山は素晴らしかった。北アルプス、南アルプスの山々とは全く異なるおもむきを楽しめる。ただ少々レベルを高く見積りすぎていた感はある。結果的に一日短縮したが、高校生だけの機動性の高さを考慮すれば、さらに一日か二日短縮できたはずである。その分、石狩岳も含めてルートを設定していれば、密度の濃い合宿になったであろう。ミーティングでの反省としては、朝寝坊が何度かあった他、撤収やパッキングの遅さなどが指摘された。高校生だけの天幕生活としては少々手際の悪さが目につく合宿であった。

反省会資料から

食料
  • チャーハン、ぞうすい等の前夜の米を使った朝食は、低価格、軽量で、なかなかよかった。しかし米を炊く量が多いときや、夕食がすし太郎や飲込み飯の時は使えないことに注意。
  • フリーズドライの紅茶は、ゴミが出ないという点で便利だが大量に使うのでかさばる。
  • 米の量は余らず、不足せず、ちょうど適量だった。1人0.8合-1合。
  • 全体的に、軽量化もでき、値段も安く、できも良かった。味もまあまあだと思う。
  • 灯油雑炊は反省すべき。

コース

  • 十勝岳から美瑛岳方面への下りは、だだっ広く、ガスが濃いと分かりにくい。非常に硫黄臭が強い。
  • オプタテシケから双子池への道が分かりにくい。素直に雪渓を突き進むのが良い。
  • 忠別岳避難小屋のキャンプ場が不明。
  • 旭岳キャンプ場は、水がにごっている。風も非常に強い。

医療

  • 特になし・バファリン3回分使用


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1987年度活動記録も併せてご覧下さい。



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