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tome V - 合宿報告3
天狗平より白馬岳昭和31年度冬期合宿 page 1:合宿概要・合宿報告1/2 - page 2:合宿報告 2/2 |
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朝食7時。全員揃って雑煮を食べる。しかしさすがに下界の正月特有な複雑な情緒などは全く伝わって来ない。8時出発。元旦にふさわしく素晴しい快晴。左手にあくまで白く輝く白馬連山を眺めつつ樅の林を縫って進む。しばらく登ると成城小屋が見えた。早稲田小屋もそうであったが、まるでクリスマスカードに出ている情景にそっくりそのままだ。林間を抜け天狗平への大斜面「ユートピア」に出る、ジグザグを切って少しづつ登る。バテて遅れる者も出た。天狗平に着くと直ちに天幕建設。訓練のためとあって少し風あたりの良いところに黄色と白いのを三張張った。全員B・Hへ下って昼食。小田、荒木OBが新たに到着した。計15。ここでこ2隊に別れた。A隊は再び天幕に上る。夕日によって雪の峯々の色は美しく変ってゆく。紫から灰色になった頃A・Cへ着いた。今年新調した黄天幕は広く明るい。ラジュースの音も快調。 A隊小倉、近藤、三島、佐藤、榊原、綱島、鈴木 |
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(A隊) 今日はA隊と・B隊が交代するだけ。朝食後パッキングを済ませB隊の上って来るのを待つ。B隊が来ると直ぐに乗鞍岳へ登り再びテントヘ向って、大滑降。この斜面が実に広大で、表面の平らな急斜面。滑り心地は正に剛快そのもの。せせこましいゲレンデなどは全く比較にならない。昼食後、全員でBHへ。これ又モミの木を縫ってのユートピアの爽快な滑降。B・Hでしばらく休んでB隊は再びテントヘ戻る。 |
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(A隊) 起きて外へ出ると相当な風雪。B隊のアタックを気遣いながら風雪をついて連絡に出発。道は山の陰のため風はあまり来ないが視界は皆無。天狗平へ着くと猛烈に吹いているのに驚く。まゆ毛、ひげは真白に氷り鼻からつららがたれる。B隊は乗鞍岳まで行ったが猛風雪はおさまる様子もないのでやむなく引き返して停滞。A隊は連絡を済ませて小屋へ戻る。午后になると雲が切れて来た。風は相変らずである。薪掘りスキー練習。天狗平の風雪のため一人、耳と中指を凍傷にやられた。夜は.再び風雪になる。 |
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(A隊) 快晴。気温は零下12度で最も低い。7時に小屋を出発。テントに着くと直ちに撤収し、小屋へ戻る。食糧が余るので、いつもカンパンの昼食が今日はカレーライスになつた。15時半より成城小屋住復のスキー・レースをやる。景品はみかん、ソーセージ、かりんとう、ビスケット等、余剰食品の多数。全員途端に活気づく。しかしその殆んどはOBに持ってかれてしまい、実力の差、食い意地の差とも、遥かに我々を圧した。夕食後、明日背負う荷を分けて寝る。 |
ここで初めて我々は正月だったことに気がついた。松かざりや、しめ縄、村の人達も何となく晴やかな顔をしている。そして急に都会の正月が恋しくなり、もう終ってしまう今年の正月を惜しく感じた。 |
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