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tome V - 合宿報告3
天狗平より白馬岳昭和31年度冬期合宿
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我々はこの(32年)春、遠見尾根の合宿を行い成功に終った。この冬期白馬岳合宿はその下準備とレて雪中露営、スキー及び登高の訓練が目的として行われた。そして、まごつきながらもOBの指導の下にこの目的は一応達せられた、また幸いにも天気に恵まれて一行の半数が登頂出来たことは我々にとって誠に嬉しいことである。 期日期日 12月27日1〜1月6日 隊員
冬期白馬合宿器具及ぴ燃料表
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19時半新宿駅に集合。14時より中学部員に並んでいてもらったため座席は問題なく、また大した混み方でもない。全員荷の多いのに驚く。新宿駅へ二回に分けて荷を運んだ者もいるぼどだ。部員、OB、その外大勢の方々の見送り、餞別をいただいて20時45分準急アルプス号にて本隊出発。 |
ここでスキーをはく。始めてはく者が4人、これが大変だった。なにしろ八貫以上の荷を背負って始めてスキーをはくのだから立っては転び立っては転び初めは五秒と立っていない。まだ一歩も歩かないうちに雪まみれになってしまう始末、しかし他の連中もOBを除いては同じ様なもので直衛さんの宅に着いた時には相当の雪が各々から払い落された。山スキーのむづかしさを痛感させられる。昼食後スキー練習にゲレンデヘ出てOBより初歩からの手ほどきを受ける。 夕日に映える山々を眺めつつ小屋へ帰る。夕食後荷分け、個人装備の点検をしパッキングを済ませスキーにシールを取り付けて寝る。 先発隊は小倉、中村OBに佐久間、榊原、鈴木の五名。27日朝東京を発ち夜直衛氏宅へ着いた。28日はB・Hである早稲田小屋への荷上げ。翌29日、本隊と合流、計13名。 |
いよいよ本合宿中、一番背負いで、歩きでのある日が来た。起床、6時15分。4時半起床の予定が1時間半以上も遅れる、しかもOBに起されたとは面目無し。出発8時。快晴。小屋から谷の入口までは平坦な道が続く。眼のとどく限り白一色の丘陵地帯を青空を背にして輝く白馬山塊をめがけて真っ直に進む。途中「鐘の鳴る丘」が見えた。早くも高一部員にパテ始める者が出る。道は沢に沿って上り傾斜も急になる。OBはバテた部員に相当困らされた。赤抜の頭で全員揃って昼食。ここから更に急になりジグザグに登る。途中で先発のデポした野菜が加わる。傾斜が急になったのでシールがきかない者が3、4人遅れる。あせればあせる程ズルズルと後にさがってしまう。前の者とは離れてしまうし実際みじめなものだ。これで日でも暮れて来たら遭難の恐れさえ有りかねないと思う。シールだけは良いものが欲しい。(今度の場合あざらしよりナイロンの方が遥かに良くきいたようだ。) 御殿場小屋ではスキーをぬいでしばらく休憩。熟いお茶がたまらなくうまい。いくら飲んでもあきるようなことは無い。シールの悪いものはOBに教って小屋から荒縄をもらいスキーに縛り付けた。道はトラバース気味に登る。そろそろ薄暗く成りかけ雪もクラストして来た。しかし荒縄の威力は素晴しく無造作に足を前に出すだけで事足りた。荒縄をこんなに有難く思ったのも始めてだ。やがて神ノ田圃の平地に着くとタンネの森の向うにB・Hである早稲田小屋の灯が見えた。暗くなった雪の山々に囲まれたこの一点の黄色い暖い光は一同の足を思わす早めた。 |
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曇。朝食8時。下の小屋においてある器具を4人で取りに行く、食料係は食糧を整理し他は小屋のわきの雪の下から薪を掘り出す。灰色の空からは雪が降り出した。これが終ってから小屋の裏でスキー練習、スキーの具合の悪い処を直したりする。夕方数人で荷上げ隊を御殿場小屋まで出迎えに行った。夕食後、明日のA・Cへの荷を分けて寝る。小屋は夜になると非常に冷えるので、毎夜二人で寝ずに火の番をして燃やし続けなければならない。ストーブの囲りの台にシュラーフにくるまって夜を半分づつ交代に眠る。古雑誌は端から端まで読んでしまった。窓を覗くと寒気よけの二重ガラスがランプや自分の顔を変な風に写す。 |
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