臨時試験を終えてほっとした気持で、実に気が良く合った山行であった。光前寺の庭の簡素にして骨のある雰囲気は是非一度見ておくとよい。往き返りとも立ちよって温かいお茶の御馳走になつた。岩室の一夜は折からの本州一体を蔽った低気圧の為にゴーゴーと雪が小屋の周囲を流れて実に無気味であったが、夜半風の為にすっかり洗い清められた空に満天の星空を仰ぐことが出来た。頂上からの展望は素晴しかった。特に伊那谷の対岸の南ア連峰は我々に夏の苦しい合宿へのノスタルジヤを感じさせる程であった。再び光前寺から仙丈岳の姿は二度と忘れられまい。
- 大菩薩嶺(11月2日-3日)佐藤、菅原(高一)
- 2日新宿発(6:35)〜初鹿野(9:30-9:40)〜田野橋(10:20)〜嵯峨塩橋(12:00)〜(途中昼食)〜鉱泉(12:40)〜大藤村下日川組合(13:20)〜一子橋(14:00)〜大菩薩館(15:00)〜テント設営(16:00)
- 3日 出発(6:00〜石丸峠(7:30)〜大菩薩峠(9:00)〜大菩薩嶺(10:00-12:00昼食)〜唐松尾根を経て長兵衛小屋(13:50)〜パス停留所(15:20)〜塩山(16:50)帰京。
気の合う二人だ、歌も自然に飛び出して来る。腹も一杯。天気は快晴、ピッチはぐんぐん、なにしろ楽しい旅であった。
- 金峯、国師、奥千丈岳縦走(11月21日-24日)神原、水野(高二)田辺(中三)
- 21日新宿(20:12甲府行)〜甲府(23:36バス待合室にて就寝
- 22日甲府発(バス4:27臨時)〜天神森(4:30)〜仙娥滝上(6:10)〜金桜神社(6:45-8:20)〜猫坂(9:15)〜下黒平の橋(10:10)〜上黒平(11:00-11:15)〜金峯山道と伝犬沢分岐(12:05-13:00昼食)〜ホロ小屋(14:30〜15:45水場有り飯を炊いてゆく)〜沢出合(16:20)〜水晶峠(16:45)〜御室小屋(17:35)(泊)
- 23日出発(6:00)〜金峯山頂(8:20-9:15)〜鉄山(10:00)〜朝日岳(10:45)〜甲府への分岐(11:30)〜大弛小屋(12:00-14:05)〜奥千丈岳(15:15)〜ルートを見失う、荒川源流へ下り途中水が現われて来たので新雪の上に針葉樹の葉をしきツエルト・ビバークを行った。(17:00)
- 24日出発(9:00)〜荒川植林小屋〜乙女鉱山入口(13:30)〜馬トロに便乗〜金峯泉(14:20)〜杣口(16:30)〜窪平(17:20-17:45)〜バスにて〜塩山(18:00-18:46)〜新宿(21:36)
兎に色素晴らしい山行だった。そして非常に多くの経験を味わうことが出来た。ビバーク決定の状態を少し書く。奥千丈の頂上は樹が欝蒼と茂りおまけに新雪で踏み跡は全然わからなかった。そして頂上からだらだらと下っている主脈を辿ろうと少し右腹を進んだのであったがどの尾根であるか、今から考えればあの時にも少し慎重に磁石を見るべきであったのだが、尾根を間違えて右に寄り過ぎて気の付いた時にはもはやその尾根はなくなって荒川の源流に消えていた。時計は17時。ズボンは倒木のためピリピリになってしまった。しかしツエルトは持っているし食糧も充分にあるので別に驚かなかった。翌朝その沢をよく見たら古い木材を流した木組みの跡があったので、これは旧道があるとにらんで下ったわけである。はたして10分ほどで古い線路の無い枕木だけのトロ道にでた。さいわいと云えばさいわいであった。
- 海沢遡行(11月23日・晴)新家(高二)、伊藤(高一)。白丸(8:40)〜海沢橋(8:55)〜大地沢出合(9:40)〜三つ釜滝(11:00)〜ワサビ小屋(12:30-12:50)〜稜線(14:00)〜大岳(14:30)〜御岳(15:45)〜〜鳩ノ巣(17:25)
- 富士山(御殿場口)(11月22日-23日)近藤(高二)
- 22日東京発(0:10)〜国府津〜御殿場(4:00)〜太郎坊(馬返し)(8:30)〜六合目小屋(昼食)〜非難小屋(16:45)
- 23日。出発(3:20)〜九合目(6:40)〜御殿場口山頂(7:40-8:00)〜太郎坊(15:30)〜御殿場(16:40)〜国府津(17:00)〜東京駅(21:00)
丁度東京岳連、日本山岳会主催の講習会が吉田口であったので富士はにぎやかであった。しかし御殿場口は少なく叉強風のため頂上アタックは非常に困難であった。新雪がクラストし風はオーバー・ズボンと耳を覆う帽子を必要とさせる位であった。新調のスイス製バーナーの調子は実に良かった。