tome VI - 合宿報告7


 

南アルプス仙丈岳

昭利48年度春季合宿
三品裕司



春合宿の候補地として仙丈岳が浮かび上って来たのは2月の初めであった。2月8日に開かれた冬合宿反省会の席上で春合宿をどうするか話し合った時、甲斐駒-仙丈周辺をやってみたいという事になった。冬合宿は、奥秩父・金峰山へ行ったが、異常気象のせいか、その時は極度に雪が少なかった事は年次報告で述べた通りである。そこで来年の最終目標の候補地であるところの常念岳東南稜、或いはそれと同クラスの山での合宿へのワンステップとすべく、春はもっと雪のある所へ行こうという事になったのである。それから何度か計画をねり修正を加え、2月22日のOB指導委員会で「北沢峠、仙丈岳、アサヨ峰」として正式に認可され、OBの方が学校側との交渉に当ってくださる事になった。発案の時期がだいぶ遅かったが、残された時間の中で、新しい冬用天幕の購入、保存食料の研究等急ピッチで準備がすすめられた。また無雪季に仙丈へ行った者が皆無であり、奥秩父から南アルプスヘの、超特急のグレードアップであるため、事前に偵察隊を出す事になった。あわただしい限りである。

偵察には、現役からリーダーの斉藤、藤森、OBの方は合宿に来て下さる鈴木先輩、太田先輩の他、小野先輩、藤田先輩が参加し、3月16目新宿を出発した。あいにく悪天候で、小仙丈から仙丈までの状態はガスのためまったくわからなかった。しかし北沢峠の他に東大平、仙丈岳2合目、7合目に幕営できるスペースがある事、北沢の水が使える事等がわかった。それから東大平の東端に竹ペグと余りの食料をデポして来た。準備期間は相変らず遅刻者が多かったが、冬合宿から使い始めたペミカンの改良にも成功し一最初はラードが多すぎて食えたものではなかった)ガソリンコンロの整備点検も終り、後は出発を待つばかりとなった。春とはいえ積雪季のアルプスである。全員気を引き締めて取りかかった。

  • 期目昭和49年3月24日-49年3月29日
  • 目的
    1. 雪上技術訓練及び春山登頂
    2. メンバーシップの養成
  • 隊員
    • リーダー斉藤昌毅(高1)
    • 高野信久、三品裕司、蒔田清、藤森隆、田辺康.(中3)
    • 佐藤則秋、鈴木順二、太田弘一(OB)
    • 平野博志(部長)


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page 2. 準備内容
page 3. 行動記録
page 4. 反省総括



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