<山本OBの山行記録>
三月二十一日(晴) 今回は、時間が無いため池袋に集合して特急を使うという贅沢な始まりとなった。しかし快適なはずの車内で、寝ていた私は金縛り。気合で金縛りを破って三ツ峰口に到着した。最初はバスとロープウェイを使う予定だったが(ロープウェイの始発が遅いのが、このルートのネック)、タクシーで三ツ峰神社に直接行ける事が分かったのでこちらを利用した。
水の汲み忘れで、最初にバタバタしたものの親切なビジターセンターの方に水をもらい、出発する。雪は、今年は全体的に少なかったようで、一本目からちらほら見受けられたものの、アイゼンを使うほどではなかった。本来はこの日のうちに雲取ヒュッテまで行くはずだったのだが、白岩山山頂についた頃日が暮れだしたのでそこでビバークすることにした。水が無いので雪を溶かし、食事を取って寝た。
二十二日(晴) 結局雲取山に登るのをあきらめて長沢背稜を下る事にした。芋の木ドッケ周辺でやや道が荒れていたものの、健脚向きとの立て札が立っていたわりにはしっかりした道で、歩き易かったが、長沢山から水松山にかけて耳がちぎれるような北風を受けて体力を消耗した。最も長沢、水松、酉谷の各山頂からの石尾根の展望は素晴らしかった。この日は二時ごろに一杯水避難小屋にたどり着き、小屋でのんびり休んだ。ただ、水場が完全に枯れていたので、また雪を溶かさねばならなかった。土本が二回程床に転げ落ちたのを除けば快適な夜だった。(前日のテントより寒かったけど)
二十二日(晴) いよいよ最終日である。ただ下るだけでは芸が無いので、蕎麦粒山、川苔山、本仁田山に登る事にした。蕎麦粒山の登りは、道が狭く、ぬかるんでやや状態が良くなかったが、山頂では、石尾根や雲取、それに富士の展望が素晴らしかった。そこからは、日向沢ノ南峰まで開けてはいるが急な坂道を登り下りした。これは川苔山本体の登りよりきつかった。川苔山も展望が良く、さらに気温も上がっていたので快適であったが、花粉症の土本と野本先生はちょっとつらそうだった。特に眼に症状がでた野本先生はかなり大変そうであった。 (目薬を忘れたのが敗因)
その後、すこし降りたところでこの山行で始めて水の出ている水場を見つけしこたま飲んだ。これでやや疲れを見せはじめていた佐藤も元気を回復して後は本仁田山を残すだけとなったが、この頃から急に天候が悪化しはじめ、さらに鋸尾根の悪路で時間と体力をかなり消耗したために、登山をあきらめて大ダワからはとのす駅まで一気に下った。
<野本先生のコメント>
春合宿は天気も良くのんびりと登れましたが、(中学生2名で仕方がないのですが)少し以上に物足りなさを感じました。
山岳部は人気が今ひとつ無いのですが、山に行ってみたいという生徒は多いので、今後を楽しみにしています。 |