那須朝日岳慰霊山行

太田弘一(S47)

 
  2022年は那須朝日岳の遭難事故から50年にあたります。そこで、9月15日に那須朝日岳遭難現場への慰霊山行に行ってきました。
このところ気象条件が悪く、台風の合間を縫って行ってきましたが、 当日も山の上は晴れていましたが、山麓は一日中雲海の下で、霧・小雨の状況でした。
遭難現場へは、2016年4月8日以来の6年振りの訪問で、無雪期に行ったのは数十年振りです。
9月中旬の時期を選んだのは、13回忌の慰霊登山がこの時期で、その時には遺体収容地の周辺が 野生のリンドウの群落で紫一色の花園であり、現場が最も美しい時期であると思い込んでいたからです。
しかし、今回行ってみると、リンドウはところどころに咲いてはいましたが群落には程遠く、少し落胆しました。
また、雪崩発生地点の剣が峰のトラバースの現場からは、下部を望むと急斜面がずっとガレ場で、 遺体収容地点まで見通せたと記憶していたのですが、現在は灌木が生い茂り見通せませんでした。
積雪期であれば、灌木も葉を落とし、雪に埋まるのかもしれませんが、灌木の背丈は意外と高いので、 雪崩の発生した沢筋の形状も植生もずいぶん変わったと感じました。
数十年の年月が経過しているので、小生の記憶もかなり曖昧ですし、また、雨風の侵食や落石で、 沢筋の形状も変化し植生が変わっていてもおかしくはありません。永い年月の経過を思い知った気がしました。
あと、峰の茶屋が無くなり、跡地に新しい避難小屋が建っていました。
以前の避難小屋は、三斗小屋方面に下った所にあったとおもうのですが。
 
             
 
 
 
 
  左:峰の茶屋跡避難小屋・剣ガ峰(左側の瘤)朝日岳を望む、中:峰の茶屋跡避難小屋、右:剣ガ峰と朝日岳  
 
 
 
 
  左:剣ガ峰巻道の雪崩発生現場、中:発生現場から斜面下部を望む、右:発生現場より朝日岳寄りから発生斜面下部を望む  
 
 
 
 
  左:発生現場より朝日岳寄りから発生斜面下部を望む、左に見える堰堤の上部が遺体収容地、中:雪崩の発生地から堰堤までの全容(約200m)、右:遺体収容地の沢の対岸から遭難現場を望む  
 
 
 
 
  左:遺体収容地の沢の対岸から遭難現場を望む、中:遺体収容地のアップ、真ん中のこんもりした岩の奥の右下部の灌木に覆われている所、右:遺体収容地の沢の対岸からの朝日岳  
             
  那須は無雪期であれば気軽に行ける山ですので、今後那須に行かれる方々が、現場に向かって手を合わせる事ができればと考えています。  


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